2016年4月24日日曜日

『純黒の悪夢』を、ようやく観てきました

一年ぶりのblog投稿。
一年前もコナン映画の感想でしたねw


 ネタバレ満載なので、ネタバレを読みたくない方は回れ右で…


 灰原の事とか探偵団の3人の事とか、キュラソーの事、赤井&安室の事とか色々書きたいことはあるのですが、今回の映画で何よりも衝撃だったのは、黒の組織がオスプレイを所有していたということです。

  私、今年はとにかく仕事が忙しくて予告すら見てなかったというのもあって、オスプレイが出てくるなんて事前情報持ってなかったので、映画でシルエットが出てきた瞬間の衝撃と言ったら……。
  オスプレイといえば、色々と日本のマスコミにも取り沙汰されることが多いですし、今は熊本の震災で支援のために派遣されてるので、名前だけは耳にしたことがある人は多いと思います。
 オスプレイってのは、いわゆる愛称のようなもので、正式名称はV-22という輸送機です。
 開発はベル・ヘリコプター社とボーイング・ヘリコプターズ社。
 二社の共同開発ですね。
 ヘリコプターのように垂直離着陸が出来、飛行機のように飛ぶことも出来る。
 早くて遠くまで飛べる輸送機な訳です。
 で、何がそんなに衝撃だったかというと、現在、オスプレイが配備されてるのはアメリカ海軍/空軍/海兵隊と、カナダで遭難救助用としてのみだからです。
 日本や、他の同盟国にも配備は検討や決定されてたりはしますが、まだ実際の運用は先の話しです。
 にも関わらず、黒の組織はオスプレイを持っている。
 それも、きちんと運用しているらしい……。

 これが意味すること……。

 黒の組織はアメリカの海軍、空軍、海兵隊のいずれかと繋がっているか、ボーイング社やベル社と危ない関係のいずれかな訳です。
 いや、いくら民間企業といえど、軍需産業の一翼を担っている会社に軍の関係者がいないなんてある訳ありません。
 日本だって、防衛大学を卒業後、見せかけだけの任官拒否をして民間企業の兵器開発等々の部門で研究者として働いている(共同研究している)方は大勢います(最終的に自衛隊に戻る方も多い)
 これだけ軍に対しての忌避感のある日本においてもそうです。
 アメリカなんて軍は至極肯定的な捉えられ方をしている訳で、当たり前のように軍人が民間企業で共同開発してたりします。
 そんな中で、たとえ開発企業が黒の組織と関わりがあったとしても、こっそり作って引き渡すなんて無理です。
 それに、ただ持ってるだけで簡単に動かせるもんじゃありません。
 日本がオスプレイを調達するのに、1機100億なんて言われるのは、本体の価格に加え、訓練だの運用ノウハウだの、整備方法だのの移管代も含まれているからですよ。
 高度な軍事機密……とまではいかなくても、やはりシークレットな部分はある訳で、だから、どう頑張っても導入してもらえない同盟国だってあるくらいですからね。
 なのに、その運用をあたり前のこととして為している黒の組織……どう考えてもアメリカ軍と繋がってるとしか思えない。
 当然、軍にはスパイなどというものはいます。
 ならば黒の組織は、軍のスパイ組織の中でも攻勢の部分の組織なのではないか?
 だからこそ、単なる犯罪組織に各国の諜報機関が潜入させているのではないか?
 FBIとCIAは軍とは別の独立した組織です。
 そして、コナンにはこれまで、アメリカの軍の側のスパイ組織は出てきてないと思います。
 INSCOM(陸軍)、AFISR(空軍)、ONI(海軍)、NSA(国防総省)などが出てきた覚えがないんですよね。
 まぁ、エンターテイメント性重視の荒唐無稽な演出と言ってしまえばそれまでですが、今年の映画で一番気になった部分だったので……。
 で、それはそれとして、あの場面、あの作戦の中でオスプレイを使った理由は納得ではあるのです。
 ロンドン・アイと同タイプのカプセル型ゴンドラを吊り下げるためには、上空でのホバリングが出来る大型の航空機が必要で、更には作品中でも言及されていましたが、空自が出てくる前に逃げられる足の速さが必要……でもその前に、観覧車の上に到達するまでに発見されにくいという条件もつけられるでしょう。
 個人的にこの作戦に利用できるとするなら、チヌークかスタリオンかヘイローかオスプレイ辺りかなぁと思うのですが、外部積載重量を考えると、どれでも可。
 ただし、足の速さという面で考えると、ティルトローターであるオスプレイの巡航速度はチヌーク等からすれば2倍弱の速さになりますから、選択の余地はないでしょう。
 それに、オスプレイの音は他に比べてかなり小さいので、近づくことも他よりは容易いですからね。
 荒唐無稽な演出と前述しましたが、チョイスには納得という何ともね……。
 あぁ、それに、オスプレイって、他のヘリと同様垂直離着陸できるので、固定翼機と同等の飛行ができるにもかかわらず、滑走路が要らないんですよね。
 つまり、どこかの飛行場を利用したり、衛星写真からでも目立つ滑走路を自前で持つなんてことをしなくても飛ばせちゃう。
 秘密の組織としてはかなり便利な航空機ではありますよね。
 航続距離も長いし。

 ところで、先日作ったコピー本の中で、私は組織の前身母体がMACV-S.O.G(ベトナム戦争時の軍の特殊部隊)と設定したのですが、今回の映画を踏まえ、その設定を更に掘り下げてみたくなりました。


 オスプレイの衝撃が大きかったので、灰原クラスタにあるまじきことにオスプレイについて長々と書いてしまいましたが、その他の映画の感想なども……。

 オープニングからのカーチェイスシーンは、赤い彗星と連邦の白い悪魔を髣髴とさせるような演出で、オマージュか?オマージュなのか?といきなり心の中で大絶叫でしたよ。
 まぁ、見た目だけだとイニDか?みたいな感じでしたけど、いやぁ、面白かった。
 安室も赤井もすごく「らしい」……Zガンダムの二人って感じでしたね。
 あと、キュラソーの身体能力、人間離れしてますよね。
 主人公からして人間離れしてるので、身体能力のインフレでも起きてんじゃない?って感じに見えてw

 今回の灰原は服がこれまでのユニセックスなものと違い、女の子っぽくって可愛かった。
 江戸川の蝶ネクタイではないネクタイとジャケットって格好と並ぶとどこのデートファッション?って感じでバランスが良いじゃないですか。
 江戸川もねぇ、今回はかなり格好良かったですよ。
 子供の姿だから出来ること、出来ないこと、手を出せないことと手を出せることをわきまえてて。
 でも、引くだけじゃないってのも良かった。
 で、灰原の対黒の組織という意味での心を、気持ちを強くするって、江戸川がだけが出来る部分は原作のセリフ引いてきて語るって、なんかもう、江戸川は蘭さえ絡まなきゃ割りといい男なんだよな(工藤はこれに当たらず)。
 阿笠邸でのやり取りは、予告編詐欺だと思ってただけに、ある意味報われてるよね、灰原クラスタとしては。
 そして、江戸川の台詞に触発されたと考えてもいいでしょう、灰原が一人で決断して探偵団たちのためにゴンドラに……いやぁ、感無量です。
 十分灰原も人間離れした身体能力ですなw
 途中でキュラソーと出会って助けられて……たまりませんね。
 キュンキュンしちゃいましたよ(え?
 キュラソーがベルモットに粛清されかけた、組織にとって都合の悪い情報ってのは、APTX4869関係だったのかなぁ?とちょっと思ったり……だってすぐにシェリーだって分かるってことは、そういう薬物がシェリーの近くにあったということを知っているってことですもんね。
 しかし、キュラソーの「シェリーちゃん」呼びは、なんか萌えた。
 あのまま二人で逃げおおせていたなら、いいコンビになったんじゃないかと思わせます。
 東都水族館まで灰原がやって来たところまでは、江戸川の言葉故にだったかもしれませんが、キュラソーに助けられてから灰原の背を押したのは、キュラソーの存在だっただろうと思います。
 だから、なおのことキュラソーが惜しい。
 二人のこの先を見たかったなぁ。
 
 そんな二人の裏で、赤井と安室は戦ってるし、コナンは必死だし、コナンが現れて三人共闘するしで、いやぁ、めまぐるしかった。
 でもさ、そりゃ、アムロ・レイって人間は、コンプレックスの塊のようなところもありますが、シャア・アズナブルという人間もかなりコンプレックスがあると思うんですよね。
 でも、Zの頃のアムロはある意味吹っ切れてるわけだし、むしろクワトロ(シャア)の方が……って感じで見てたので、観覧車上での戦闘シーンで安室の方がブレてて、赤井はブレてないってのが、なんとなくオマージュのオマージュたる所以かなぁなどと思いながら見ておりました。

 そして、最後の転がる観覧車と、クレーンと、でっかいサッカーボール。
 なんとも言えない悲しい……そしてそれを灰原は一人で見つめていたという現実が、この映画は灰原の映画だったんだなぁと思わされました(勿論安室と赤井大活躍で二人のための映画でもあるのでしょうが)。
 うん、やっぱり、キュラソーとシェリーちゃんのコンビの未来を見たかった……。

 で、今回は、博士が無能と有能の両面を見せていて、博士はやっぱり素敵なキャラだと思わされましたよ。
 博士は最高です。

 それと、今回、真剣に、蘭は出てくる必要性はあったのでしょうか?
 あれ、むしろ、必死に戦ってるコナン(新一)と、蚊帳の外で自分とその半径数メートルのことだけで生きている蘭の対比、立場の違い、生きてる世界の差を見せつけただけで、全然プラスになってない気がするんですけど……。
 個人的には、毎回お約束の意味もなくヒロイン危機で、工藤の「らぁ〜〜〜ん!!!」ってのが無かったので、萎えなくてよかったんですが、良かったけど、良くないというか……蘭がヒロインでいる意味って何?って考えさせられてしまって……。
 映画は別物って思えないほどに、公式なんですよね……今回の映画の内容……。
 これを踏まえて、それでも、蘭はヒロインでいる意義を見出すことは出来るのでしょうか?
 幼なじみだからという、青山剛昌ワールドで最大の意義、けれど世の中の普通の人間からしたらどうでもいい意義を維持する意味は……あるのでしょうか?

 そして最後に、光彦は凄い。
 絶対に将来大物になりますよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿